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8/7

「銃夢」という漫画が好きでよく読み返してます
ジャンルはSFなのですが…主人公ガリィの成長を描いたものであり
通り一遍のものでない存在感を感じます
成長と言っても…例えばガンダムのアムロのような
青年期から大人へと成長する…言わば短いスパンのものでなく
赤ちゃんを思わせる誕生から…堂々たる主張を訴える幼少期
そして物静かで冷静な思考を身につけた大人へと
自分の漫画遍歴があまり大したこと無いせいもあると思うのですけど
これだけの成長の過程を描いた…しかもこれをコミックにして全9巻に
収めるセンス
作者である木城氏の卓越したストーリー運びは…今読んでも驚きです
SFを取り扱う漫画でも難解なものから簡素なものまで
様々と思うのですが
この「銃夢」はかなり難解な設定とそれを生かす物語への展開
ですが用語には必ず注意書きがコマの外に添えられ
意味の無い挫折感を回避するのに…これ以上ない注意が払われています
これら難しい設定を…見ている人無視で置き去りにすることにより
カリスマ的な存在感を得ようとする…このような作りの作品も
あるようですが
分からないことがあればそれを論議や分析するより
主人公の成長を見て欲しい
それほど強く願う作者の思いが伝わってきそうです
では…というのか…何故それほど強く願う思うというのが存在するのか
あくまで私感ですが…これは…主人公ガリィの生き様には
生きる目的となるものがよく分からない…ガリィは女性アンドロイドという
設定ですが
脳や内臓などは生体的に人間のそれになっているので
人間的な欲や目的があって然るべき
でもそれを意図的になのか…取り扱わないことによって
木城先生曰く…生に向かう衝動…プリミティヴなものを扱うことになってるのかと
このため…妥協というものを知らず…一瞬一瞬を必死の形相で生き抜く
ガリィの姿に…共感を超えた感動を受ける…この漫画の一番好きなところです
戦い…仲間との友情…家族への思い…愛情
こうしたものを全力で描くことにより…ページからはみ出して出てきそうな
存在感を感じることもよくありました
ガリィはこの通り…強く何事にも怯まない…無敵を思わせるヒロイン像を
提示してはいますが
一方…ケイオスという名の青年…天才科学者でありマッドサイエンティストを
思わせるノヴァ教授の息子という設定で
このケイオスは異常者であるノヴァを超えるべく取る方法とは…
弱さに真摯に向き合うことで
実はとんでもない強さを身につけていないと…出来ない芸当である
この一連のプロセスが…また別の成長を表現するものとして
さらに印象深いものになってます
よくある物言いで…広く認知されてはいるようなものなれど
こうして作品として読むことになると…やはり胸に来るものが…
実際木城先生の中ではガリィよりケイオスの存在感のほうが大きいのでは
そんなことを勘ぐってしまいます
しかし…この両者の戦いは…結局決着らしきものが着いてなく
ここに理想の親子の存在を見る…というのは考えすぎでしょうか
悩みとぶつかり…物憂げな表情で呆然と立ち尽くす
こんな描写も多い漫画ですので…何だか暗い漫画だな…と敬遠する
人もあるかもですが
自分はこんな作風の漫画が好きで…これを自分の仕事が始まって
あれこれ悩んでるときに読むことが出来たのは…幸運でした
しかし…あまりに高尚な内容なため…実生活で役に立てることなど
出来無かった…という余談付きではありましたが…

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by sukokurage02 | 2017-08-07 20:34