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舞台は近未来の地球…今からもっともっと先の話である

俺の名はジョウ…要らないロボットを解体して
ジャンク品として闇市場でそれを売りつけている
しがないメカニック崩れ…
今日も戦争の跡地からロボットの死骸を見つけ
金になりそうなのを見つけようと物色してると

「おい!」
え?…振り返ると…頭は坊主、丸いサングラス、体格は細身なれど
身長は高く…引き締まった体であるのは服の上から分かる
そんなことを考えていると

「そんなジャンク品ばかり相手したって金にならねえだろ?」
「それはそうだが…いやまず君は一体誰だ?」
「俺の名はニウラ…まああだ名は要らねえよ」
(初対面なのに何だこの馴れ馴れしさは…)
驚く間も無く
「もっとうまい儲け話があるぜ…乗ってみる気はないかい?」
そう言われても今のこの暮らしは質素なれど安定してるし…それに…
「やるのかやらないのか…俺は割と気が短けえんだ」
いきなりの驚きと…でも冷静さは失ってないのか…問われて考え込むジョウ
安定を捨てこの男の言うことを聞く…いやまずこの男が信用たる人物
なのか確認しないといけない
「言いたい意味は分かるけど…あんたに着いて行って今以上の生活が
出来るという保証は?」
ニウラは困った様子もなく
「その手の台詞はもう耳にタコが出来るくらい聞いたぜ…その用心深さ
ますます気に入ったよ」
問いかけを無視して話を進めるニウラに少しばかり業を煮やしてしまったのか
「質問に答えてくれないか」
問い詰めると
「良くも悪くもなるもあんた次第ってこった」
返答に困るジョウ…うまい話にしては持っていきかたがあまり上手く無いな…
そんなところから…ある程度この男を信用したのか
「まあ…とりあえずどんな話なのか聞かせてくれないか」
「よしきた」
こうして男二人は薄暗い工場へ向かうのだった

「で…話とは」
ジョウが先に口を開くと
「あんたロボットの残骸を毎日相手して…それで生計立ててるんだろ?
 ここは一つ…完成品のロボットを手にする気はないかい?」
(完成品のロボット…これはしかしこの時代大変に高価なもので
 一部の富裕層か大企業の上役など…その持ち主は限られてる代物だった)
「え?!」驚きを隠せないジョウ
そんなジョウに対し
「俺はあらゆるところにコネを持ってる…使えそうな部品を寄せ集め
 完成品のロボットを作ることを考えつくのも…そんな深刻に考えるほどでも
 ねえってね…ただし俺にはそのスクラップ共を一つのロボットとして
 完成させる技量がねえ…そこでだ」
ジョウとて毎日毎日残骸をレストアして市場に売り出してる身
一度くらい本物のロボットを見てみたい…そしてあわよくばそれを自分の…
しばし熟考が続く…何分経ったんだろうか
ニウラは事務所の椅子にふんぞり返り…タバコなど吹かしている
考えが少しまとまったのか
「ニウラ…君の言ってることは例え嘘でも魅力的な話だ…が…俺はここでの
 生活もこれでも気に入っている…その話と両立は出来ないのか?」
こう尋ねるが早いか
「ジョウ…お前さんがここにどれだけ暮らしてるのか…それは知らねえが
 新しいことを始めるのにここの暮らしが邪魔になるってことを
 まず知らなきゃいけないな」
熟考も切羽詰まってきて焦りに変わってくる頃
ニウラも待ちくたびれてしまったのか
「よし…まあ俺も今日すぐにって話でもねえんだ
 また明日来るからそのときでも…」
言葉を遮るように
「分かった…あんたの言う通りしてみようじゃないか」
ニウラはパッと顔が明るくなり
「よし!そうか!じゃあ商談成立だな…ただ今日のところは最後の晩餐ってやつだ
 別れを惜しむなり気持ちの整理をしておくほうがいいぜ…ただ身支度だけは忘れるなよ」
いきなりの話に戸惑うジョウ…ニウラが去って工場で一人ぽつんと佇んでいると
「何であんな得体の知れない男の口車に乗ってしまったのか…それとも俺も気がつかない
 冒険心を揺さぶられているというのか…」
ニウラが言った通り…最後の晩餐のようなものを済ませ
(一体何が待ち受けているんだ…期待はほとんど持てず…不安ばかりで
 寝付けない…)
気がつくと朝…日光の光がジョウの頬を照らす
「ああそうだった…昨日は…」
それでもあまり変わらない様子で身の回りのことをしてると
「あの男だ…」ニウラがこちらに近づいてきて
「よお!夕べはよく眠れたかい?」
「ああ…まあ」
「よし…それじゃあ俺の計画を少しばかり聞かせてやるか」
(すでにニウラの思うままに事が運んでることに恐怖を感じながら
 でもこの男…悪人ではないような気がする…根拠は無いが…」

ニウラが説明するには
ロボットがする競技を見世物にし
それが大衆の人気を掴み…AIロボットは無くてはならない
存在になっているという

「そこでだ」ニウラが口を出す
「AI搭載じゃない…生身の人間が操縦するロボットって触れ込みはどうだ?
 常識を覆すとまでは言わねえが…それでもそんなロボットは戦時中の話で
 今現在は存在しねえ…希少価値はすげえものがあるはずだが」
(どうだいって言われても…しかし確かに以前のロボットは戦争下において
 AIの性能より人間の持つ反射力、認識力…共に優位であったので
 乗り込むスペースはある…が)
「ニウラ…あんたの言うことは分からないでも無いが…自分が乗り込むとなると
 身体中がAIに命令されるロボットに勝ち目はあるのかい?」
「そこよ…」含み笑いでこう答えるニウラに内心恐怖を感じながら
「長年スクラップを相手してるってことは…知らない間にそれぞれの部品の特性
 やら欠点やら…ロボットの全てを知り尽くしてるってことだ…
 最も最新鋭のものはまだまだ未知のものなんだろうけどな…だから
 AIロボットがいくら正確かつ緻密な動作であろうとも…お前さんに
 かかれば乗り込んだロボットの全ての能力を発揮出来るということさ…
 AIとロボットの完全なシンクロというのはまだまだ先の話だと
 見た限りそう感じた…うまくやればAIを出し抜くことは十分可能ってことさ」
「そんな話が…いやしかし…」
「動揺するのも無理ないさ…だが俺は嘘はついてねえぜ…ここにあんたにこんな話を
 持ちかけてること自体が一つの証拠と考えられないかい?」
「確かに…」
(この時点でニウラに相当に心を許している自分に気付く…この男一体…)
「どのみちこの話はあちこち転々としなきゃいけねえんだ。考え事があるなら
 乗り物の中でしたらどうだ」
「そうかもだな」
この時点でジョウは…見知らぬ不安よりこれから先に起こるべくことに
どこかしら期待を持っているようにも感じられた

「まずは部品調達だ」ニウラがこう言う
「とりあえずだな…AIの息のかかってない…旧世代のロボットの残骸じみたものを
 探すんだ…もちろん完成品があれば申し分ない話なんだが…先の大戦で全て失って
 しまったと聞く…政府の発表はあやふやなものが多いが…これに関しては
 長い調査で裏を取り…間違いないものだと保証はするぜ」
「分かった…まあ俺のところに流れてくるものも…売り物になるのは
 一部の装甲とか手のひらの一部とか…まあそれをAIが加工して資源として
 成り立ってるからこの商売もあるんだろうけどな…」
「まあ言えばそのAIといずれは勝負することになる…その覚悟は出来てるか?」
(なかなかに親身にこちらのことを考えた物言い…この男…悪い人でも無さそうだな)
そんなことが頭にあったのか
「AIが敵か…悪い話でも無さそうだな」
「よし」ニウラはこう頷き…
「まずは…ロボットの完成を急ぐにしたって情報が無いと話になんねえ」
そう言うが早いか…ニウラの両手には小型の端末のようなものが
「これは放送でもやってるAIロボットの競技の中継があるところをモニターしたものだ
 つまり…この放送でAIどもが関係無いところがある程度だが分かるという代物でね」
画面を見てみると…確かに大都市はこの放送が引っ切り無しに行われていているのが分かる
「そうじゃない地域を見て探すんだ…旧時代の遺物ってやつをな」
(非常に手間がかかりそうな話だ…しかしそうするしか無さそうだ)
故郷を捨てたジョウには今のところ失うものがない…この境遇が
頼れるものはニウラしか居ない…そう感じざるを得ない心境にある
「分かった…じゃあ一体…」
「この辺りはどうだ……よし…ジョウ…最初の行き先が決まったぞ
 これだとあと4時間くらいはかかる…少し仮眠でも取っておくんだな」
「分かった」ジョウは昨日の寝不足から…スッと眠りに落ちた

ニウラの乗り物から降りると…
「さぶうぅぅ!」ニウラがこう大声を上げる
(確かにこれは冷えるな…というかここはどこだ?)
「ニウラここは一体…」
「すまんがこれは機密になり教えることは出来ねえ…が…ロボットの残骸を
 集めるのが役割じゃねえのか?」
(確かにその通りだと一応の納得はしたジョウ)
「さ〜てスクラップ置き場をしらみつぶしに探してみっか」
(行動して間もないけど…ニウラのこの楽観的なところに惹かれてるのかもしれない)
車で移動し…鉄くずが山のようにある廃工場のようなところに到着した
「こりゃまた大量だな…役に立つものがあればいいんだが…」
車から降り…瓦礫の山を登るのか観察するのか…とりあえず使えそうな部品を
探す
「これは!」「う〜んなんかこれは…」「よし!」「いやダメだ」
こんなやり取りが何回続いただろう
(ここには何もないかもしれないな)
ジョウもニウラもどこかしらそのような雰囲気になり
「あー!もうしょうがねえ!次当たるか」
(そうだな…と思いきやニウラの足元に何やら場所に似つかわしくない丸く光沢を放つものが)
「おい…足元のそれは…」
ニウラがそこに目をやると…
「おお!これは!旧時代の…これは頭部だぜ」
やったぜ!と大はしゃぎしたいニウラに対し…冷静なジョウを見かねて
「ま、まあこれで来た甲斐はあったぜ…」
そう答えるのが関の山なニウラだった

ここから先も似たような展開が続き…地元の警察に追われるなんてこともあった
この道中
部品も着々と揃っていき…頭部、胸部、下半身、両腕、右足
そう…残るは左足のみとなっていた

「さて左足の在り処はと…」
ここまで割とすんなり事が運んでいたので…どこか余裕を感じさせる二人
モニターに映るそれを見て
「よしここだ…」ニウラの決定に口出すこともなく…言えば忠実な部下のように
なっていたジョウ…元々人をああだこうだとこき使うような人物ではないのだが
「分かった」
(これでもし左足が見つかれば…一体ニウラはどうするつもりなんだ)
「さてお仕事お仕事」いつもながらの軽さでニウラが瓦礫の山に手をつき始める
(まあそのときはそのときか…こんなことを考えてる自体…今ひとつ俺も覚悟が決まって
 無かったようだな…)
後悔なのか自責の念なのか…分からない感情をジョウが襲う
考えてると手が止まり…作業に没頭出来ないのを尻目に
「あった!あったぜ!」歓喜とも呼べる声でこちらを嬉しそうに見るニウラ
そんなニウラを見て…
(この男に付いていこう…長い間かかった部品集めも…ニウラの情熱があったからこそ)
そんなことを考えてると涙目になってるジョウ
かといって泣き崩れるようなこともなく…ニウラはニウラで
「よく頑張ってくれたな…まあここ数日はこの旅のようなもので心底疲れたろ
 うまいもんでも食って英気を養おうぜ」
「そうだな」
戦利品である左足を抱え…宿泊先へと向かうのだった

ここ数日は穏やかな日を過ごす二人
が…ジョウが最初から思っていた疑問が…旅の忙しさから考える余裕が無かったものが
「なあニウラ」
「なんだ?」
「こうしてロボットの部品は揃った…自分の腕があれば修復して先の大戦同様に使える
ものになるだろう…それを何に使うつもりなんだ?」
珍しくニウラは無言で
「さあメシにしねえか?今日はこれでもちょっとは張り込んだんだぜ」
「そっか…じゃあ戴くとするかな…うんこれはうまいよ」
「だろ??」
 (ニウラは本当に不思議な奴だな…でもなぜここまでして自分に接近
  手伝いとはいえ身の回りの世話もしてくれるし…)
 まあ考えても…そのままベッドに直行して就寝するジョウだった

それから1ヶ月は経ったのだろうか
ようやく部品をそれぞれ結合し…一体のロボットが完成していた
「スクラップの山から…よくここまで…」
ニウラは純粋な感動なのか…それとも…とにかく大喜びで
「よくやったなジョウ!見込んだ甲斐はあったぜ!」
ジョウはニウラの喜びに特に同意することもなく
「そろそろ聞かせてくれないか…あんたこれで一体何をしようと…」
しばらくの沈黙ののち…ニウラが説明を始めた
「AIロボット同士を戦わせ…それを賭けの対象にしてる連中が観戦するところがある」
驚きなのか呆然なのか…言葉が出ないジョウに構わず話を進める
「実は俺も先の戦争でそんなことをやらされる羽目になってしまった
 志願制では無かったが…勝利者には莫大な報酬があるという
 金に目が眩んだ訳じゃ無かったが…これで家族にもっといい暮らしを
 して欲しいって気持ちがあったのは否定出来ないがな」
話が今ひとつ整理出来ないジョウ…でもその混乱の頭で分かる範囲でもと
「ニウラ…それじゃあ…このロボットでAIロボットと戦えと…」
「そうだ」
「ち、ちょっと待て!相手は最新鋭のAIを組み込んだロボットだぞ!
 勝ち目があるとでも思っているのか!」
珍しく逆上するジョウ…その気持ちは分かると言いたげに
「AIの動きは緻密なように見えて…どこかパターンじみた動きをするところがある
 それを教えてやる。俺の知る限りの対AI戦略を」
ここまできて乗せられたと考えるのが普通だ…ジョウ自身もそう思っていた
しかし…最後の最後までそれは分からない
奇妙な魅力をニウラに感じていた…いや最初からそうだったのかもしれない
そんなことを考えながら…事務所の大型モニターに映し出される
AIロボットの動作パターン、どういう判断を下すのか…攻撃と防御の切り分けは…
「見ろ…ここががら空きだ」「ここで装甲の隙間が見えるから…銃撃する」
「相手はAI…何をするにも躊躇が無い…そこを逆に狙うのさ…」
こうした説明を聞くうち…うまくいけばAIロボットに勝てるかもしれない
そう思わせるに十分なニウラの説明だった
その気になってきたジョウを横目で確認しながら
「今日のレクチャーは終わり…また明日だ」
「ええ…」
(いつしか教官と一兵卒のような関係になってしまったな…)
でもリーダーシップ気質でないジョウは
「まんざらでもないかもしれないな」
そうしてまた夜は更けていくのだった…

実際コクピットに乗り込み…手足を動かすようにロボットも操縦出来るように
「ジョウ…予想以上の適応力だな…これなら…」
ジョウがニウラの側まできて
「AI無しでAIロボットに勝った英雄ジョウ…派手に宣伝してくれよな」
「そうだな」そう答えるニウラの声は…いつもの張りのあるもので無かったのを
ジョウは気が付かなかった

それから数日はロボットのメンテナンスやバランス調整の日々
そのようなものに明け暮れ…ジョウはそんな中で更に自信を深めたのか
「いつでも来やがれ…」そんなことを口にするようにまでなっていた

ジョウのそんな気持ちが乗り移ったのか
「ジョウ!試合の日程が決まったぞ!」
血相変えて迫るニウラに少し怯みながらも
「そうか」
冷静を失わないこのジョウの姿を見て…自分と同様…いやそれ以上かもしれない
必要以上の感触に打ち震えながらも…もう一人の男のことを気にしていた

それから4日経ち…いよいよ対戦の日が
会場というのか…そこはドーム型の施設になっていて
防音設備も申し分無い様子
「ここだと中で何が起こってるのか…皆目見当つかねえな」
「そうかもだな」
淡々とした会話を交わし…いざドームの中に
入ってみたら予想以上に質素なもの
「まだ始まりの時刻から7時間もある…さて今のうちにマシンの最終点検と
いこうぜ」
「ああ…」
「AIが組み込まれてないロボットか…」
呟くようにニウラが言うと
「ああ?何だって??」聞き返すジョウに対し
「いやいや特にな…」生返事で返すニウラだった

客はまばらでも…前座のロボットが対決するのが始まった
銃火器の携行は許されず…いわばロボットプロレスのような形相で
引き分けに終わることも珍しくない
そんな様子を見つめながら
(しかしAIの動作の機敏さに…ニウラの情報とは少し…いやかなりの
 開きがあるな)
どうやっても出番は来る…その思いが細かいことまで考えられなくなってしまった
かのようなジョウであった
それから次々とカードは進み
いよいよジョウの出番が…
「いいかジョウ!これまで教えたことを忘れるんじゃねえぞ!
 相手の弱点だけを見ろ!そうすると必ず勝機は訪れる!」
「ああ…」そう答えるジョウは緊張感より…絶対に勝つという気迫じみたものが
身体中を支配していた
銃火器の携行が許される戦いなので…入り組んだ壁のようなものが
地面からせり上がってくる
「これでは相手が確認出来ないな…というか前情報は無かったのか?」
疑問に思うも…3、2、1…0!
開始時刻を回るも…微動ともしないジョウの機体
無線で「おいおい!そのままじゃ敵に蜂の巣にされちまうぞ!」
モニター越しだが…ライフルに目をやり
「そうはさせないさ…」こう思わせるのは…ニウラに対する忠義なのか
それとも自己の持つ闘争本能なのか…
そんなことを考えているうち
「ガシュゥゥゥン!」
敵のライフルの銃弾が近くの壁に命中したようだ
「場所を…」銃声とは反対側に足を進めるジョウ
「奴は今どこに…」とりあえずこちらも応戦だとばかり
ライフルを敵陣の方向に向け…射撃!
「キュウゥゥゥン…」
でもここで妙なことに気が付いた
(AIならここでこういう動作をするはず…なのだが…今対峙しているこれは…)
何か不具合っでも起こしているのか…そう考えたらこれは勝機!
思うが早いか…勇敢にも敵陣近くまで乗り込むジョウ
壁の隙間から敵が目視出来た
「そこか!」頭部に装備されたバルカンを連射する
(壁に守られてるのを計算するのはさすがAIだな…)
「だがそれ故に…動きを予測するのは容易い」
「こっちだ!」命中必至でバルカンをまた連射するも
「おかしい…何故ここに居ない…」
予測と違う展開に戸惑うジョン
「しかし…眼前に迫る敵には違いない…この勝負に勝てば…」
結局金銭に目が眩んでしまったことに対する後悔の気持ちがここにきて…
「姿を見せろ!」戦場では当たり前の物言いなのか…逆上しているのか
それとも突如湧き出る邪念のようなものを振り切ろうとしているのか…
狡猾に忍び寄るイメージというのをジョウは感じていた
(AIも随分進歩したものだな…)
自分は負けるかもしれない…そう思ったとき…何故か恐怖では無く
達観的とも言えるものがジョウの全身を包み
その安堵じみたものからなのか…さらに敵陣の奥まで侵入する
「これで奴を目視出来るはず…どこだ…」
不気味なほどの沈黙…俺はペテンにかけられたのか…
呆然とするジョン…しかしその呆然を打ち砕く強い衝撃
敵は壁を巧みに利用し…ここまで近づいたジョウの機体の頭上に…
「これは…」乗っかられたのを振り払おうと…必死で振り落とす
動作をしても…離れない…
「どうする……」震えと恐怖の中…敵の足元が胸の辺りにきてたので
これを右腕でパンチするも…何度やっても離れない
しかし妙なことに攻撃してこない…
「どうなってるんだ…」押し迫る危機の中冷静になってきたジョウは
「今ここで右腕のライフルで敵を撃てば…決着は付くだろう…しかし…」
ジョウは兵隊上がりでは無いので…軍の教育は受けておらず
(何でまたこんな男をこの舞台に…)
ニウラの決定は…いやあいつはそもそも何がしたいのだ…良い者なのか悪い者なのか
考えるも…こちらが銃撃を受けたら最後…命が無い…
死の恐怖というのか…半狂乱のような状態に陥るジョウ
「なにライフルでロボットを爆破したところで…相手は人間じゃないんだ」
それで何かしら吹っ切れたのか…銃口を敵ロボットに…
「撃つ…撃つ…撃つぞ!!」
ズガガガガガガガガガガ
ドーム中に銃声がこだまする
敵ロボットは弾丸が全て命中して…機能を停止している
「自分の…勝ちなのか…」
満足感には到底至らず…呆然としているジョウ
ロボットから降り…ドームに居る観客からうるさいばかりの拍手を受ける
敵のロボットを見てみると…キャノピーと胴体の隙間から
血のような赤い液が流れているのが確認出来た
「血?いやAIの部品が欠損したのか…それとも…しかしこれは…」
ロボットの前まで行き…その液体が何であるのか確認しようと
「こ、これは!」
ジョンの手にあるものは…血液そのものだったのだ
「中に…人間が…」気が付くのが早いかキャノピーを開けるボタンを押し…
中には…銃撃を食らって息も絶え絶えの男が…
「そんな…相手はAIロボのはず…何故…いやまずこの男を早く病院に!」
「い、いや…」瀕死の男が口を開こうとしている
「い、いや…なんだ??」聞き返すジョウ
「俺は…先の大戦に参加した…ぐぼっ!…でも…危険な前線に送り込まれ
 仲間をそこに置いて逃亡したんだ…うっ!…言えば戦争犯罪人でね…
 裁判にかける前に…君と同行しているニウラと知り合ったんだ…」
「………」
「ニウラはこう言ったんだ…どうせ死ぬなら投獄してからというものより
 名誉の戦死を選ばないかと…私はAIというものが死ぬほど嫌いでね
 AI無しのロボットを今一度作るのが私の夢だった…げぼっ!
 夢が実現したならが…憎いAIロボットをこの手を借りずとも…同士が…
 このロボットには通常のAIロボットよりかなりロボットだけの存在に
 なっている…AI無しって訳じゃないけどね…
 だがニウラのことを恨まないでやってくれ…というのも
 ニウラは当時としては性能が良くないAIの技術に疑問を感じ
 そのことを政府に訴えたんだ
 このロクでもないAIの補助…いや補助にもならねえもので
 どれだけの命が犠牲になったのかと…全くそこはニウラと同意見という
 ことさ…
「………」
 政府にそんな風にたてついたものだったから…ニウラの身は
 無事だったんだが…帰宅したら家族全員が殺されていた
 奴はAIに異常なまでの憎悪を感じてるのさ…
 だから人間同士で戦い…雌雄を決する
 本来こうあるべきだというのを映像やアーカイブを調べること
 じゃなく…この目で確認しないと気が済まなくなっているのさ
 どうやら俺はここまでのようだが…ニウラのことを恨んじゃいない
 いやむしろ…ううっ!
 男は息絶えた…
 
 ニウラ…貴様は…
 そう考えたいジョウであったが…戦争犯罪人という重いものを間の当たりにし
 本当に憎むべきは…そうした戦争を生み出した狂気の背景なのかもしれない
 思い直そうにも…
 
 おしまい


# by sukokurage02 | 2018-01-15 06:31

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自分はゲームミュージックが好きなのですが
ゲームの音楽というと…ドラクエに代表される
オーケストラ
ファミコン時代のピコピコ音
このようなものを連想する人も多いと思うのですが
自分が好きなのは…1980~1985年辺りに集中して世に出た
アーケードゲーム(ゲームセンターのゲーム)
の音楽です
初期のものはそうでないのですが
少し時代が進むと…YAMAHAが開発したFM音源というものが
幅を利かせるようになり
これは…自然界に無い音を出すというので
シンセサイザーのようなものなのですが
プログラマーが音色を1から作ることが出来る自由度
そしてこんなすごい音が出来たぞという
そんな驚きのテンションが持続し…音楽自体も
極めてハイクオリティーなものになった
一つはこう推測します
もう一つ隆盛の理由として
当時のアーケードゲーム業界は…SEGA、コナミ、ナムコ、タイトー
この4社がしのぎを削る…過酷な競争に明け暮れ…
今のゲーム業界も当然競争は存在するんでしょうけど
その競争心は激しいものがあったと感じます
その競争心はゲームミュージックまで当然の如く飛び火し
負けるものか…というライバル意識…そして音源自体に
制約があったということもあり
出来る範囲で最高のクオリティーのものを追求する
創作としては理想の環境だったように思います
そんなところから出てくるものが悪かろうはずがない
実際ゲームもゲームミュージックも…今でも十分その面白さが
色褪せない…素晴らしいものだったと思っています
日本人は競争したら本気出す…ここでもこの言葉を実証
したかのような事柄を…リアルタイムで体験出来たのは
いい時代だったなぁ…と懐かしむことは当然なれど
こんなすごいものが出た…という衝撃を直接体感することが出来た
今はゲーム自体に比重が置かれ…ゲームミュージックが
ないがしろに扱われてる部分は必ずしも存在すると思います
一定の某ゲーム群などは…孤軍奮闘という感じで
これはこれで頼もしいと思うのですが
ふと…昔のあのFM音源で奏でるキンキンした音を
YouTubeなどの動画サイトで聴くと
当時を思い出し…何とも言えない気分に陥ってしまいます
これはノスタルジーなのか…それとも…
音楽の持つ効能として…聴いてると当時を思い出すというのが
あると思います
ゲームミュージックも当然例外でなく
しかもゲームというものとの相乗効果で
しばらくの熱は冷めたようにも思うのですけど
それでも少し時間あったら…ゲームミュージックの動画を
探してきて閲覧する
何度も何度も聴いてさすがに飽きるのかと思いきや
この強烈とも言える相乗効果が…その飽きの感情を
ひどく鈍らせている
良いことなので特別追求することなく…ただ楽しめばいいと
思えど
一時ゲームミュージック中毒みたいなものになってしまい…
本当にこの動画を見るだけの生活が続いた時期もあったことを
言っておきます
夢中になるのなら…運動など…体を動かすものであったら
無い物ねだりというものですね…


# by sukokurage02 | 2018-01-14 18:40

1/14

少し前に任天堂のswitchを購入しました
長い品切れもようやく解放されたのかどうか…幸いにも新品定価の
ものでした
液晶のサイズが小さいかなぁと…ゲームをやってみるまで
危惧するところはありましたが
やってみると…見やすい液晶…高解像度を生かす画面のサイズ
第一印象は…申し分ないハードだと
このような高揚感は久しぶりのように感じました
とりあえずゲームを…というので
マイオサンシャインを購入したのですが
ああいう広いへき地をうろうろするというのが
自分にどうも合わないらしく
昔のゲームは表示される一画面が全ての世界で
これがスクロールで先に進んでも
映し出される面積は同じというもので
マリオサンシャインはどうかなぁ…と思いあぐね
マリオカートを次に買ってきました
こちらは…車のゲームはローンチタイトルで用意するのが
どこか慣例化したように思えど(特にSONY
やはり新しいハードを余すところなくその性能を発揮しようとしたら
レースゲームが一番手っ取り早いような気がしてます
どうしてもマリオカートというと…本格的なレースとしては
アイコンで邪魔するとか…何か違うものと思わざるを得ない
何かがあったと思うのですけど
このswitchのマリオカートは…レースゲームとしても
十分楽しそうな出来
あらゆるものを取り込むべし…という号令が開発中にかかったのかどうか
知るべくもないところですが
現にリッジレーサーやグランツーリスモ
これらのものと比較しても…言うほどの差は無いと思ったりもします
もちろん実写でセッティングの妙…などの面白さは
あるんでしょうけど
基本やはりレースのゲームは…走っている爽快感
どんどん早くなるマシンをいち早く手に入れたいという気持ちから
先に出たゲームは成り立っているとも言えるかと
マリオカートは裏技で見たことないキャラも登場するんでしょうか
でも最初の段階でキャラも多く…そのキャラを十分描き切ることの
出来る高解像度で描かれるそれは
VR…なのか…画面のキャラと同化し…今正にこのコースを
自分も走行している
そんな錯覚を度々起こすほどかと感じました
ハードの進化は新しい感動をもたらす…しかしそのジャンルは
限られてると思うのです
何と言ってもレースゲームがその筆頭であるのは
今も昔も変わらないと思い
奇抜なことをやらなくてもゲームはまだまだ面白い
それがハードの性能に乗っかったものだとしても
意識しなければ良いだけの話であって
以前のシリーズと比較するのは…同じシリーズながら
あまり意味が無い…とは言いすぎなのでしょうか
最近は頭を使うゲームというのが苦手になっているので
何も考えず爽快感を求める…そんなゲームが欲しかったという
マリオカート今のところ最右翼とも思えるものです
これがもし金字塔と他のメーカーも認識するならば
類似品は出回らないでしょうし
いやまだまだ改良の余地はある…
そう強気で考えてるところは…類似品なのかオリジナリティーを
頑張って既得するのか
レースゲームというのもハードと共に進化するのは
すごく良いことだと思いますが
反面良くないものは淘汰されてしまう危険性もある
極めて弱肉強食とでも…厳しいジャンルと思います
過去の実績…自社開発…マリオというブランド
これだけの要素を兼ね備えたマリオカート
やっぱりこれがswitchでのレースゲームの決定版に
なりそうな気がしています
個人的には…F1のゲームがどうしてもやりたいので
これがswitchで出てくれますように
出てくれますように(二回言った…
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# by sukokurage02 | 2018-01-14 07:53

11/18

音楽ネタが続くのですが
レッドツェッペリンというバンド…ロックファンならずとも名を聞いたことの
無い人はあまり居ないのでは…そう思ったりするものですが
ブリティッシュハードロックの先駆者として…また基本を作った功績として
多大なる影響を与えたバンドであります
では何がどう凄かったのか…これまたどう解釈すればいいのか
少し把握出来ず…ボーカルのロバートプラントのどこまでも伸びるハイトーンが
凄いとか…ジミーペイジの作るギターリフが凄いのか
目立たないけどバンドの屋台骨を陰ながら支える堅実なベースプレイが光る
ジョンポールジョーンズ
変幻自在なビートも難なくこなすジョンボーナムの技量が凄いのか
つまり全ての人が凄かった…その凄さ故…その個々の才能が
完全に融合し…作品として残ったのはそれほど数多くありません
ギターのジミーペイジがもの凄いアイデアを出すと…バンドも突然変異を起こした
ような…これもまた凄い演奏になるんですけど
そうで無い曲はそれなりに…とまでは言わないんですが…
バンドはやはり緊張感の中でやるというものが付きまとい…多くの解散劇は
これに乗っ取ったものだとするならば
その緊張感の強弱が…作品の質として反映される
そんな気がするのです
事実…ジョンボーナムのドラムは1970年代にありがちな
何か間違えてるのでは…と思うくらい…テンポが遅れてるんです
そういうドラム演奏のスタイルなのかな…そう思うも
他のバンドのそれを聴いてみたらそんなことは無く
各メンバーに気を遣ったのでこうなった…こう考えたりもします
目立ってなんぼのバンドの世界…中でもジミーペイジは
ラメラメで足のところが太もも部分まで切り裂かれている衣装を纏い
それで金粉のようなものをあしらい…ギターもダブルネック型と呼ばれる
ネックが二本あるものを構え…ステージ上で踏ん反り返るというもの
これはジミーより自分が目立ってしまっては…そう思ってなのかどう
なのか…このバタバタした感じになってしまっているのでは…
真偽のほうは全く定かで無いので…でもバンドをどうにか継続させる
には…機嫌を損ね喧嘩にでもなってしまったら…
事実ツェッペリンはこうした火種?のようなものを抱えながら
これもまた…ジョンがお亡くなりになるまで続きました
何せツェッペリンの音楽は…ここだけでしか聴けない
ワンアンドオンリーと呼べるもの…そう簡単に終わらせては…
一番そこに腐心したのでは…
今はこれといった活動も残ったメンバーには無く
膨大な金額になるであろう印税で…というところなのかと
ロックスターは実に早くにお亡くなりになる人が多い世界でもあると
思います
先の記事で書いたカートなのか…ジョンなのか…
悩むくらい思い入れはどちらにもあります
結果が全て…という…聴いてるほうは比較的に気楽に構えることが
出来るように思えど…その結果を分析すると…色んなものが
見えてきたりする…でもそう考えたりすること出来るというのは
このバンドがいかに特別な存在感を放っていたのか
論より証拠ということかもしれませんね

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# by sukokurage02 | 2017-11-19 05:59

11/18

これはかなり以前の音楽雑誌で読んだのを覚えてるんですが
定額制にするんだ…こうすることでしか音楽業界の発展はあり得ない
そう予言?したのは…リックルービンという大物プロデューサーです
驚くべきこの先見の明は…事実そのようになってるんですけど
プロデューサーとして音楽文化の変遷というものを見てきた結果
予見する未来がそうであると…その認識は正しいと思うのですが
やはりファンとすれば大物アーティストが次々と期待の新作を
リリースしていた…当時働き出して間もないところ…
少ない給料のほとんどをCD代として消費していたように思います
音楽聴くことだけが全て…今でもそう変わらないところなのですけど…
名盤と呼ばれるものも時代の変遷と共に変わっていき…
評論家筋は絶賛…売れ行きも凄い作品が…自分的には今ひとつだったり
その逆もしかり…
どうしても…と思うものだけ…でもそのどうしてもが本当に数多く
今みたいにインターネットで検索…などというものが使えなかったので
自分の足でレコード屋を回り…目当ての品を見つけるまでは…と
夜の某繁華街をうろつくようにさまよっていたのも…今となっては
いい思い出なのかもしれません
定額制のサービスは元も取れるでしょうし…これもまた音楽業界の
発展に繋がるのであれば…しかしサービスを始めているのは
音楽に直接携わる企業のそれとは違い…IT企業です
ネットビジネスというと当然のことかと思うのですが
これが…かつて音楽を流通させていた企業にもし譲渡されるような
ことがあれば…資金は流れ…昔のそれを再現は到底出来ないんでしょうけど
需要と供給のバランスが少しでも膨れるのでは
希望というには心もとない…いや無いといってもいい話だと思うのですけど
この夢のような出来事があれば…
また…音楽というのはレコーディングから作品になるまでも
もの凄い金額がかかるものですし…メンバーを留めておくにも
多大なギャラが発生してるだろうとは…容易に想像ついたりします
つまり…そのような多大なる額を使って出来上がったものを
インターネットというものがあるにせよ…そう簡単に聴けていいのだろうか…
まして画像…動画付きという…破格のスケールであるこのサービスは
音楽業界を壊滅させるに十分な値打ちがあった…いや値打ちと言っていいのか…
音楽はまともに録音しようとすればするほど…制作費はかさむ一方だと
やはり聴くほうもそれなりの出費を伴い…かくいう自分も当然YouTubeで
音楽の動画など見ますし…あったら絶対に使いたいサービスを生み出した
業績が…このようなお金と時間をかけ…手間暇かかって作ったものを
一瞬にしてたんなる音楽PVを見てるような気分になってしまう
このことに憤りを感じてるアーティストもさぞ多いことなのでは…
何度か…本当に何度かですが…こういう状態になっていることについて
怒りをぶつけているインタビューなど…読んだことはありますが
それほどの勢いのものでもなく…また他のアーティストがというと
勢いはさほどのものでも…これはアーティスト自身が
作品を作るに当たり…機械のお世話にならないことなど…一切ないと
自身も恩恵を受けてるのに…それを使うリスナーのことを糾弾することは
出来ない…でもリスナーというのか…これだけ多種多様な娯楽が出来
音楽ばかりにかまけては…というので…もしかすると適正なバランス
なのかもしれません
時代はこれからも変わっていくのでしょうけど…昔感銘を受けた
アルバムや曲に対しては…変わらぬもので受け入れたい
そう願うのも…当時の大変さがあっての素晴らしさであった
それを引いてしまうと…残りは本当に普遍的で素晴らしいもの
もしかしたらその選別は始まってるのかもしれません

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# by sukokurage02 | 2017-11-18 21:13

11/18

ここのところ音楽はニルヴァーナというバンドのものをよく聴いてます
当時主流であった商業ロックというもの…これに嫌悪感を持ってる訳では
無いのですが
人々がロックと連想し…どのようなものになるのか
マーケティングが主だったところで生まれる音楽ということで
あまり興味を引くもので無かったような気がします
どことなく倦怠感というのか…音楽業界も閉鎖感のようなものが
蔓延していたようなところに
新しいものが生まれるのは当然のような感じだった…そんな雰囲気で
あったのを思い出します
王道的なものにはアンダーグラウンドなものをぶつけるしかない
ここまでは共通なのですが…取る方法がそれぞれ違い
ミクスチャーロックというのは…全ての音楽ジャンルはもう開拓されてしまった
じゃあもうそれらを混ぜるだけ…という…当然の帰結なのかそれともヤケクソなのか…
でも実際に聴こえた音楽というのは…既存のハードロックにラップが乗っかったものや
混ぜたはいいけど混沌過ぎて音楽性をも破壊してしまい…聴けたものじゃなかった
そんなものも散見される中
ニルヴァーナの取った方法論とは…絶望でも絶叫すればそれなりに
インパクトがあるはずだと…意気込みと実際の音楽がシンクロした
音楽というよりは…悲痛なメッセージとして受け止められた…はず…
というのも現地アメリカでも…ボーカルのカートが歌い、絶叫する英語は
地元の人ですら聴き取れないという…そうなるとますます勢いのみの
音楽となってしまう…ここを恐らく計算してのものだったと今にして思うのですが
メッセージは自虐的で徹底的なネガティブなものから
でも時折見せる神への信仰を思い起こさせるようなもの
カートの持つジレンマ、苦悩は本当のものである
なので表現もその負の勢いがそのままレコーディングされているのいうので
夢中になる人が続出した…というのも無理ない話と思います
瞬く間に時代の寵児となり…ロックの救世主として崇め奉られるバンド
結局カートはそのプレッシャーに耐え切れることが出来なかったのか
でも成功したミュージシャンというのは必ずその成功から来る
プレッシャーに苛まれるもの…傲慢不遜なあのオアシスでさえ
ナーバスにならざるを得ないことを考えると
繊細な心の持ち主であると思う…カートが自殺してしまうのは
悲しい限りですが…というのか自分はショックで3日ほど寝込んでしまったんですけど…
カートの表現は…グランジという名称でロックファンに強烈なインパクトを
与え…今尚忘れることなく皆の記憶に留まってると思われます
ロックという名の偶像崇拝…中身はそんなものじゃないと考える
カートの苦悩は…自殺に追い込むほど強い動機足りうるものだったのでしょうか
成功に負けたから自殺とは…弱い存在だ…こんな評論なのか…文献を
当時見たことあるんですけど
ニルヴァーナ…やはりカートの表現が痛々しく…そして突き抜けるような
才能でということになれば
その才能の大きさから来る過大なる反響に耐えきることが出来なかった
それだけ聴く人々の深い共感を得て…ライブは…レコーディングは…新曲は…
成功した俺にロックは歌えない…カートの遺言じみたものとして
有名なものなのですけど
自身が放射した才気溢れる音楽は…そのまま才気の分…尋常ではない
期待というものになり
これが自殺の真相なのでは…と推測するものであります
死因としてはショットガンでヘロインを服用しながら
頭を打ち抜いた…という結果だけが語られるので
動機といえば…遺言じみたものですが…ひどく抽象的なもの
原因を自分なりに探りたい…と思うところから…仮説に過ぎないとは
思いますが…どうしても書いて自分の気持ちもスッキリさせたい
そう感じました
ロックで生きていけないのなら引退して別のことをする
そんなことが頭に無いほど…追い詰められ…ロックに命を…
終わってしまったことは未だに残念というのか…
でも懸命に生きたカートの作った音楽は…同時に今を生きていたという
何よりの証明になると思うのです
轟音の中の絶叫も…アコースティックギターで優しく語りかけるような
弾き語りも…今もここに自分は存在している…そんなことを
聴くたびに連想してしまう…稀有なアーティストとして
これからも特別扱いは変わらないと思います

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# by sukokurage02 | 2017-11-18 19:53

10/28

SF映画であるブレードランナーの続編が公開になるというので
ちょっとした話題になってるようです
自分もこの映画には凄い感銘を受け
でもその感銘の正体を…未だ問い詰めてるようなところが
続編待望論に繋がったのではないかと…
リドリースコット監督がこの映画を撮影した背景にあると思われるのは
前作であるエイリアンでの…あまりに生々しいエイリアンの表現
それにまつわる恐怖…この作風が固定されることに対する
戒めなのか…ひたすら無機質と感じる映像が連続で描かれ
やはり当時流行だったサイバーパンクの影響直撃しているのか
西洋と東洋の強引なまでの融合…など…実験的要素が
斬新に映る…そんなものと
アナログとしては末期の映画撮影のものであったため
小道具一つ一つに思い入れを込めたような結果
そこから広がる話…結果…描かれる世界としては狭いものを感じるところ
どこかしら広大な世界観を有するもの…そんな強い印象が
今日までSF映画の金字塔とされ…続編が制作されることとなった
ファンとしてはおめでたい話ではありますが…
1つの映画としてまとめるには緻密なプロットや設定が必要と思うのですが
綿密に考証したという跡が随所に見られ…完璧主義者である
リドリースコット監督のセンスがいかんなく発揮された…凄い映画であることに
間違いないと思います
映画は実のところ最近本当に見なくなってしまったのですが
ロードムービーというのは…最初と最後だけ決めておいて
後は即興やアドリブで話を作っていった…話というよりは役者同士の寸劇
とでもいうのでしょうか
映画に限らず映像を取り扱う作品は…感情移入がまず先決だと考えると
ハリソンフォード演じるところのデッカード警部は…寡黙で主人公というよりは
案内役のような役柄で…これもまたまず世界観を提示するという役割を
果たしていたように思いますし
あまりにアクの強い脇役キャラ…雰囲気映画と揶揄されるのは
この辺りで…別に人物像の造形が不完全だった訳では無い
今にして思うとそう感じます…いやこの映画は絶賛する人は絶賛なのですが
アンチの人はとことんこき下ろす…じゃあその人達のフェイバリットとなる
映画はどういうものだろう…そう考えると
ひたすらストーリーで魅せる骨太な展開の映画…そんな映画もいいと思うのですが
面白かったら何でも良いのでは…というところからかけ離れた映画評論というのは
生業にするのも大変な労力が必要とされる…というような感想を受けた記憶があります
話が随分ブレードランナーから外れてしまいましたが…
やはりこれはスクリーンで見て…続編であるというのを実感したいです
個人的には…やはりハリソンフォードはかなり老けてしまったのは
作品として考えるとプラスの材料になるのか…
雰囲気映画として捉える自分からすると…思い切って代役を立てても良かったのでは
でも見たらやっぱりこれで良かった…そう感じるかもしれませんが…

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# by sukokurage02 | 2017-10-28 16:48

10/14

バットマンvsスーパーマンという映画を遅ればせながら見ました
タイトルの通り…アメリカを代表するようなヒーローが対決するというものでしたが…
しかし…この争いに決着が付くと困るようなことにならないかと…
そこはうまく?回避するアイデアで切り抜けたようですが
双方がヒーローと言えど…キャラクター性は大きく異なるような気もするのですが
スーパーマンはひたすら無敵ぶりを
バットマンは…どこか葛藤を抱えながらも結果的に人を救う
この違いから来る違和感を解消しないと…見ていて何だか…
結果的にはバットマンの葛藤みたいなものがまるで無くなり
違和感は感じなくなったのですが…今度は過去の作品を
思い出すと違和感だという
このややこしいパラドックスじみたものが…あまりに高尚的な映画を作り続けた…
クリストファーノーラン監督たる故
だったのかもしれません
勧善懲悪で単純なストーリーと思わせながらも
何かしらの疑問を見てる人に投げかける
結果は見てる人に委ねる…そんな作風はあまり変わること
無かったのかも…そんな感想を受けました
自身が作る映画も…結果的にすごい作品だ…と思わせるも
やはり自虐的な部分があるのか…息抜きで作ったと思わせ
ながらも…プライドじみたものが許さない
自己主張じみたものをこのヒーローに託すことにより
他の大御所然とした監督とは一線を引くことになる
それを強く望んでいるのでは…そんな感想を受けました
007の映画を撮りたいという発言も…そんなところから
来てるとは思うのですが…
過去の作品から考えても…この映画にメッセージ性を
持たせるのは難しいと思うと
やりたいことをやっても思うほどは受け入れられない
このような葛藤が存在するのでは…
ノーラン監督の出世作となったような新生バットマンを
いとも簡単に捨てたような感じを受けたのは
何かしらの決着を付けようと考えると…少し…いや
かなり残念なことと思います 
映画に求められるのはカリスマでは無く…アクションとそれに沿った話だと考えると
少し寂しいような気もしますが
これを見ただけでそう思うのは早計だと考え
でも映画も最近は話題作というものが随分減ってしまった
ような印象は拭えないです
売れるものしか作れない…と考えてしまうと
家で楽しむに十分な環境が機材的にも揃ってしまった
いずれは音楽文化と同じような道を辿ってしまうのでは
ないかと…強い危惧を感じたりしますが
杞憂であることを祈りたいものですが…

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# by sukokurage02 | 2017-10-14 05:27

10/9

最近MSXという昔のパソコンに対応していた…沙羅曼蛇というゲームをやってます 
このゲーム…理不尽とも呼べる難易度…しかし独自の音源チップをカセットの中に
搭載することにより…音楽に異常に気合の入った仕上がり
絵自体は残念ながら…というのを埋め合わせするような
今現在のゲームのグラフィックの向上は凄いなと思わせるものは本当に多いんですが
関心なのか感動なのか…でも1枚の絵としてこれを見ると
芸術的にすら思うのは…総合芸術としてのものになっている
グラフィックが高尚なものになると…今度はゲーム性が
チープなものに…こうした悪循環のようなものに陥ってるような気もするのは
見方が良くないのでしょうか
両方兼ね備えたものが大ヒット作品なのか…試してみる機会にはなりそうですが…
バランス良くグラフィックはそこそこのものを選んでみる
これも一つの方法かと…
どこに予算を割くのか…おざなりになるものは…
足し算では無く引き算で残ったもの…そこが面白いのか
どうか…この見方が正しいのかどうかはさておき…
でも過去のめり込んだものを考えてみると…何か突出した
アイデアをひたすら突き詰めた…みたいなものが多いです
どうしてこのアイデアが出たんだろう…昔のゲーム機になればなるほど
表現力は乏しいものが…その制約が良いものを生もうとする背景になる
そう考えたりはするのですが…
# by sukokurage02 | 2017-10-09 06:02

10/7

10/7
ソニー製のスピーカー
LSPX-S1を購入しました
あまり興味無かったのですが…
宣伝にまんまと乗せられ…
まあいつものことかもしれませんが
形としても不思議かつインテリアのような外観ですが
音は非常に澄んでいて…かつしっかり主張するところは
主張する…なかなか…いやこれはそうそうお目に
かかることの無い一品だと
スピーカーはどんなものでも買ってから2〜3週間は
まともな音が出ない…エイジングというものがあるのですが
これが終わったらどのようにまた変化するのか…
オーディオというのも色々やってきた気もしないでもない
ですが…これで完結なのかと思うと…少し感慨深いものが
ありますね
ソニーのアクティブスピーカーはこれまで何度か
試してきたのですが
ソニーらしさを感じさせぬ…フラット…かつ輪郭は
キッチリと出し…控えて目ながらも必要十分の低音が
それを支える…テレビ、パソコン、ゲーム機など
ハイエンドなものがどんどん廉価なものになってはいますが
オーディオの場合…素材にかかるコストというのが
無視出来ないため…その恩恵に預かることは…
難しかったように思うのですが
生活に溶け込むというコンセプトのこれは
インテリアとしての側面や…オーディオマニアや
デジタル家電好きの人に対する請求力…オシャレだから
考慮に入れてみる…音像的にも面白いものがありそうだ
あらゆる層の興味を刺激した商品であると思うので
末長くマイナーチェンジの憂き目?を恐れることなく
使えることが出来る
いくら説明してもなかなか言いたいことは伝わらない
ものです…とにかく聴いてるうちは…
こんな音を奏でるものがあったんだなぁ…と
やっぱりソニーらしい先駆的な商品が出てきたことに
嬉しさを感じたりしますね

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# by sukokurage02 | 2017-10-07 11:41